○樹林帯の生態 ○ブナ林の動植物 ブナ林は標高700〜1600mまでの地域に見られる落葉広葉樹林で,尾瀬ヶ原の周辺,至仏山麓,燧ヶ岳北東面などに広く分布しています。 この地域のブナ林は多雪地域に特徴的なヒメアオキ〜ブナ群集とマルバマンサク〜ブナ群集となっています。 ブナ林では高木層にブナ,亜高木層にコシアブラなど,低木層にエゾアジサイなど,草本層にチシマザサ・エンレイソウ・ヤマソテツなどが生えています。 またブナ・ミズナラ・トチノキ・ホオノキなどからなる樹林帯には,葉・花蜜・花粉・樹皮・樹液などを食べる動物(おもに昆虫)が豊富で,これを食べる小動物も数多くいます。 (写真右:ブナ林) ○オオシラビソ林の動植物 オオシラビソ林は多雪地域の亜高山帯の針葉樹林です。尾瀬では海抜1500m以上の燧ヶ岳,尾瀬沼周辺,至仏山,笠ケ岳などに分布しています。 オオシラビソ林では高木層にオオシラビソ,亜高木層にネコシデなど,低木層にミネカエデ・ハクサンシャクナゲなど,草本層にハリブキ・コミヤマカタバミ・ゴゼンタチバナなどが生えています。 オオシラビソはある程度栄養分がないと育たないため,栄養の少ない場所にはコメツガ・ネズコなどの針葉樹が,さらに貧栄養の場所にはダケカンバが生育しています。 このオオシラビソ林には,オオシラビソの葉や幹を食べる動物が少ないので,ブナ林に比べて動物の種類も個体数も数多くありません。
|