尾瀬の位置
◇尾瀬というところ
 尾瀬は本州のほぼ中央,群馬・福島・新潟の三県にまたがる地域に位置し,周囲を標高2,000m前後の稜線で囲まれています。日本一の規模を誇る尾瀬ヶ原,以北最高峰の燧ヶ岳,高山植物の豊富な至仏山,神秘的な尾瀬沼,周囲の山腹を覆うブナやオオシラビソ(アオモリトドマツ)の原生林などがあり,まさに変化に富んだ自然の宝庫です。
 また,尾瀬は日光国立公園内の西端部にあり,その維持管理を国が中心になって行っています。 しかも,尾瀬地区は自然公園法によって「特別保護地区」に,文化財保護法によって「特別天然記念物」に指定されており,その地域内の開発や利用について厳しい制限が設けられています。そうした制限が設けられる理由は,尾瀬が貴重な自然の宝庫だからです。高層湿原の尾瀬ヶ原や至仏山には尾瀬特有の植物や昆虫などが多数生育しているのです。
 しかし,その豊富な水を求めて幾度か出されたダム建設計画で水没の危機に,さらに便利さだけを追求する自動車道建設計画により自然破壊の危機にさらされてきました。しかし,その都度豊かな自然を残そうという市民レベルでの自然保護運動が起こり,尾瀬は守られてきたのです。

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